発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013186086
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単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術27例(SILC群)と、従来法による腹腔鏡下胆嚢摘出術29例(LC群)に対して術後アンケート調査を行った。尚、SILCの適応は胆嚢結石または胆嚢ポリープで開腹既往がなく、急性胆嚢炎や術前の画像検査で胆嚢管の分岐形態変異を認めない症例とした。1)アンケート調査の回収率はSILC群74%、LC群68.9%であった。性別、年齢、BMIにおいては両群ともに有意差は認めなかった。2)平均術後経過期間はSILC群が286.9日に対して、LC群は377.2日とLC群で長かった。3)整容性においては手術創部が「目立たない」と答えた患者はSILC群で85%、LC群で25%であった。創部症状についてはSILC群で85%、LC群で80%が創部症状を「認めない」と答えていた。4)SILC群における単孔式手術の理解については「手術の説明時」が85%と最も多く、「今知った」と選択した患者においては術前説明後でも単孔式手術の理解が十分に得られていなかった。5)LC群におけるSILC希望の有無については「希望する」が5%、「希望しない」が15%、「従来法でよい」が35%、「わからない」が45%であった。以上、これらのことを踏まえて、患者が手術で優先するのは安全性であり、創部の整容性に対するニーズはあまりなく、短期的な整容性のみでSILCの方向性を決めるのは慎重であるべきと考えられた。
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