鏡視下手術におけるcontroversy 積極的な立場vs慎重な立場
胃癌に対する腹腔鏡(補助)下幽門側胃切除術 積極的な立場
谷川 允彦
1
,
野村 栄治
,
馬渕 秀明
,
李 相雄
,
吉中 亮二
1大阪医科大学 一般・消化器外科学
キーワード:
胃腫瘍
,
胃切除
,
開腹術
,
術後合併症
,
術中合併症
,
腹腔鏡法
,
幽門
,
リンパ節郭清
,
最小侵襲手術
,
失血-外科
,
治療成績
,
ランダム化比較試験
Keyword:
Gastrectomy
,
Intraoperative Complications
,
Laparotomy
,
Lymph Node Excision
,
Laparoscopy
,
Postoperative Complications
,
Pylorus
,
Stomach Neoplasms
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Blood Loss, Surgical
,
Treatment Outcome
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
pp.630-636
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007243105
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
腹腔鏡下胃癌手術は2002(平成14)年度の社会保険診療報酬に収載され、有望な縮小手術法として積極的に行う施設が増加しているが、いまだ普遍的な治療法とはいえず、胃癌治療ガイドラインにおいても日常診療ではなく、臨床研究の一つとして推奨されている状況にある。1例目の手術が1991年に行われ、まだ10年あまりという浅い歴史のために、エビデンスレベルの高い臨床成績がまだ十分には蓄積されていないことの反映である。そこで、ピアレビュー論文を主体にしたこれまでの代表的関連論文をもとに、腹腔鏡下胃癌手術の安全性、低侵襲性、腫瘍学的意義、術後転帰、予後などをとくに腹腔鏡下幽門側胃切除術に焦点を当てて記述した。多くの報告は、一定の手術技能のもとに行われる本手術は安全で、今後の普及と発展が期待されることを示しており、そのためにも、従来型の開腹手術とのあいだで多施設共同による第III相比較臨床試験の早期の開始が望まれている。
©Nankodo Co., Ltd., 2007