StageIV大腸癌に対する外科的治療戦略
肺転移に対する外科的治療戦略
板橋 道朗
1
,
廣澤 知一郎
,
亀岡 信悟
1東京女子医科大学 第二外科
キーワード:
大腸腫瘍
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
治療成績
,
大腸切除
,
生存期間
,
タイミング
Keyword:
Lung Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Colorectal Neoplasms
,
Treatment Outcome
pp.28-33
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015060536
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StageIV大腸癌肺転移に対する治療は,その宿主側因子と肺転移因子,原発巣因子を考慮して手術適応を決定する.しかし,単施設で経験するStageIV大腸癌肺転移の頻度は少なく,判断材料となるエビデンスが不足している.第78回大腸癌研究会でされた集積1,179例のうち,StageIV大腸癌120例の5年生存率は51.9%,無再発生存率は24.2%で,異時性転移の67.6%,45.5%に比べて予後不良であった.予後因子を検討すると,原発巣が直腸,原発巣リンパ節転移あり,肺転移個数2個以上が独立した生存予後因子として抽出された.再発の危険因子は,男性および両葉転移が独立した再発危険因子であった.原発巣切除から肺切除までの期間は,一定の観察期間が有効である可能性が示唆された.切除不能例についても集学的治療を駆使してよりよい予後が得られるよう努力しなければならない.
©Nankodo Co., Ltd., 2015