発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014298179
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79歳女。嘔吐、右下腹部痛、右大腿部痛を主訴とした。定期検診時に右閉鎖孔ヘルニアとこれに連続する右大腿部膿瘍を認め、来院時には右大腿部に腫瘤を触知し、Howship-Romberg徴候を認めた。腹部CTでは右閉鎖孔からの小腸脱出と、右恥骨筋と外閉鎖筋との間隙に径60mm大の腫瘤が描出され、脱出小腸と腫瘤との連続性を認めた。右大腿部膿瘍を併発した閉鎖孔ヘルニアの診断で腹腔鏡下手術を行い、術中所見では右閉鎖孔に小腸がRichter型に嵌頓し、牽引では整復できなかった。また、嵌頓小腸と大腿膿瘍部とに瘻孔を認め、瘻孔切除、閉鎖孔の縫合閉鎖に続いて膿瘍ドレナージ、小腸部分切除を行った。術後経過は良好で大腿部の膿瘍腔は速やかに改善し、現在まで再発を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014