発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014298175
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53歳男。肛門痛を主訴とした。上行結腸癌を伴う非密生型家族性大腸腺腫症にて結腸全摘・回腸直腸吻合術の手術歴があり、血液検査では炎症反応の著明上昇と貧血、腫瘍マーカー高値を呈し、腹部骨盤造影MRIでは右坐骨直腸窩の膿瘍形成、直腸壁の全周性肥厚、直腸壁から連続する隆起性病変の進展を認めた。難治性肛門周囲膿瘍の診断で回腸人工肛門造設術とドレナージ術を行った際、直腸Rb-Raに全周性腫瘍を触知し、腫瘍の生検結果はadenocarcinomaであった。ドレナージと術前化学放射線療法(CRT)を併施した後に腹会陰式直腸切断術を行い、大腸癌取扱い規約による組織学的効果判定はGrade 2であったが、術後約1ヵ月で多発肺転移をきたし、術後9ヵ月目に腹膜炎で死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014