症例
インフルエンザワクチン、日本脳炎ワクチン接種後に免疫性血小板減少症(ITP)を発症した5歳女児例
長田 枝利香
1
,
三谷 麻里絵
,
江原 和美
,
本田 尭
,
荒木 耕生
,
後藤 正之
,
楢林 敦
,
津村 由紀
,
安藏 慎
,
番場 正博
1川崎市立川崎病院 小児科
キーワード:
IgG
,
インフルエンザワクチン
,
血小板計数
,
口腔出血
,
口腔粘膜
,
予防接種
,
紫斑病-特発性血小板減少性
,
大量薬物療法
,
日本脳炎ワクチン
,
静脈内注入
Keyword:
Influenza Vaccines
,
Oral Hemorrhage
,
Infusions, Intravenous
,
Immunoglobulin G
,
Mouth Mucosa
,
Platelet Count
,
Vaccination
,
Purpura, Thrombocytopenic, Idiopathic
,
Japanese Encephalitis Vaccines
pp.405-408
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2016239048
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症例は5歳女児で、26日前にインフルエンザワクチン2回目を接種、14日前に日本脳炎ワクチンを追加接種した。右下腿前面に紫斑が出現し、翌日は左下腿前面と体幹に紫斑が拡大した。血液検査で血小板数は6000/μLと減少、他の2血球系は正常値であった。凝固系に異常はなかった。PaIgGは軽度上昇を認めた。骨髄像は正形成、巨核球数・赤芽球・顆粒球の数と形態は正常であった。血小板数は、翌日には2000/μLまで低下を認め、はじめて口腔粘膜出血を認めた。免疫性血小板減少症(ITP)の診断で、大量免疫グロブリンを投与した。血小板数は速やかに改善を認め、粘膜出血と紫斑の消失を確認した。その後も重篤な出血症状の合併はなく、入院9日目に退院した。退院後、外来で通院し、半年後の血小板数は17万/μLを維持している。
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