胆嚢を究める
手術 Natural orifice translumenal endoscopic surgeryによる胆嚢摘出術
阿部 展次
1
,
竹内 弘久
,
大木 亜津子
,
青木 久恵
,
森 俊幸
,
杉山 政則
1杏林大学 外科
キーワード:
血腫
,
手術創感染
,
食道疾患
,
胆管疾患
,
胆嚢切除
,
腹腔鏡法
,
Natural Orifice Translumental Endoscopic Surgery
Keyword:
Cholecystectomy
,
Bile Duct Diseases
,
Esophageal Diseases
,
Hematoma
,
Laparoscopy
,
Surgical Wound Infection
,
Natural Orifice Endoscopic Surgery
pp.511-517
発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011199022
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経胃的natural orifice translumenal endoscopic surgery(NOTES)胆嚢摘出術に関するわれわれの経験や、海外・本邦におけるNOTES胆摘臨床例の現状、NOTESの侵襲に関する問題などについて概説した。われわれが行ってきた動物実験(経胃的NOTES胆摘)では、経胃内視鏡の位置どりの困難性、胃壁全層切開部からの胃液流出、胃壁閉鎖の困難性などが問題点として認識されたが、2本の内視鏡を用いた方法はこれら諸問題を解決しうると考えられた。海外ではすでに3,000例を超すNOTES臨床例の報告があるが、本邦では依然わずかである。NOTESの合併症発生率は従来の腹腔鏡下手術よりも高いとする報告が多く、また、動物実験レベルでは、NOTESは腹腔鏡下手術と比べて外科的侵襲度が低いという確証は得られていない。単孔式腹腔鏡下手術が台頭してきた現在、NOTESが一般市民権を得るには、今後も内視鏡やデバイスを中心とした多方面の努力が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2011