発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014038110
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48歳男性。38歳時に胆嚢結石症に対して他院にてLap C施行の際に術中胆道造影後、胆嚢管に2重クリップをかけてこれを切離した。今回、受診4日前より黄疸が出現し入院となり、腹部CTにて胆嚢管断端に前回Lap Cのクリップが認められた。また、胆嚢管結石ほか、肝内胆管・上部胆管の拡張や3管合流部付近の胆管壁肥厚が認められた。更に内視鏡的逆行性胆管膵管造影でも胆嚢管と総胆管に結石の透亮像がみられ、肝内胆管と上部胆管の拡張、3管合流部付近胆管のなだらかな狭窄が認められた。しかし、同部位からの胆管擦過細胞診および胆汁細胞診では悪性所見は認められなかった。以上より、本症例は遺残胆嚢管結石の総胆管への落石により閉塞性黄疸が発症したものと考え、内視鏡的経鼻胆管ドレナージチューブにより黄疸の改善後に開腹手術が施行された。その結果、経過良好で患者は手術から14日目に退院となり、その後は結石の再発は認めず、外来経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2013