手術症例報告
術中に診断し得た重複胆嚢管の1症例
増井 秀行
1
,
瓜生原 健嗣
,
小林 裕之
,
貝原 聡
,
細谷 亮
1神戸市立医療センター中央市民病院 外科
キーワード:
術中期
,
内視鏡的逆行性胆道膵管造影
,
胆管造影
,
腹腔鏡下胆嚢摘出術
,
胆嚢結石症
,
重複胆嚢
,
腹部CT
Keyword:
Cholangiography
,
Cholangiopancreatography, Endoscopic Retrograde
,
Intraoperative Period
,
Cholecystectomy, Laparoscopic
,
Cholecystolithiasis
pp.701-706
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.18888/J00620.2016226297
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79歳男。発熱を主訴とした。約半年前より総胆管結石症を繰り返していた。内視鏡的逆行性膵胆管造影((ERCP)と点滴静注胆嚢造影CT(DIC-CT)で胆嚢内と総胆管内に結石を認めた。胆嚢結石症と診断し、腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した。術中胆道造影で総胆管、胆管後区域枝、胆管前区域枝、胆嚢管が明瞭に描出され、胆管前区域枝へ合流する重複胆嚢管と診断した。重複胆嚢管と胆嚢管はそれぞれクリップし、切離した。尚、胆嚢動脈は同定できなかった。胆嚢を肝床部より剥離し摘出した。肝床部にドレーンを留置し、手術を終了した。病理検査で萎縮した粘膜、線維筋性の壁肥厚、Rokitanski-Aschoff洞の形成を認め、慢性胆嚢炎と診断した。術後2日にドレーンを抜去し、術後4日に軽快退院となった。Retrospectiveに術前のERCPとDIC-CTで胆嚢-胆管前区域枝を繋ぐ重複胆嚢管が確認された。
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