肝切除をめぐる最近の話題
肝切除安全限界は残肝何%か
岸 庸二
1
,
島田 和明
,
江崎 稔
,
奈良 聡
,
小菅 智男
1国立がん研究センター中央病院 肝胆膵外科
キーワード:
肝切除
,
肝機能検査
,
肝臓腫瘍
,
術前診断
,
胆道腫瘍
Keyword:
Biliary Tract Neoplasms
,
Hepatectomy
,
Liver Function Tests
,
Liver Neoplasms
pp.1141-1145
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013380244
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過去の報告では,最小許容残肝容積率は20~25%とされているが,主として正常肝である転移性肝癌の切除成績に基づいている.これを慢性肝障害を伴う肝細胞癌や,胆道感染のリスクが高い胆道癌などにまで一律に当てはめるのは危険である.切除限界を検証する無作為化試験は倫理的に不可能であり,肝機能評価,門脈塞栓術の併用による安全性と根治性のバランスをふまえて切除適応を考慮するとともに,手術手技の安定化により術後合併症を減らすことが重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2013