発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012371424
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2008年5月~2010年6月に、予定残肝インドシアニングリーン消失率(ICG Krem)とアシアロシンチグラフィ定量解析に用いられる99mTcガラクトシル血清アルブミンダイナミックSPECT(99mTc-GSAダイナミックSPECT)を比較し、肝疾患38例(男性25例、女性13例、41~84歳、平均63歳)を対象に、術前肝予備能について検討した。疾患は肝細胞癌が18例と最も多く、肝門部胆管癌12例、大腸癌肝転移6例、胃癌肝転移・肝内胆管癌各1例であった。38例中21例で肝切除が行われ、肝不全や術後在院死亡は認めなかった。17例に切除が行われなかったが、残肝容積の不足による非切除が4例あり、多臓器転移出現、局所進行、術中肝転移確認により非切除になったものが各1例認められた。また、肝細胞癌例では肝機能、腫瘤の数や局在などから総合的に判断し、10例が他の治療法を選択した。99mTc-GSAダイナミックSPECTを用いた残肝Ku体重比指標はICG Kremによる切除指標と良好に相関し、安全な肝切除を行うための補完的な役割を担えると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012