肝切除をめぐる最近の話題
化学療法後の肝障害
進藤 潤一
1
,
國土 典宏
1東京大学 肝胆膵外科・人工臓器移植外科
キーワード:
Fluorouracil
,
薬物性肝障害
,
患者管理
,
肝臓腫瘍
,
血管疾患
,
脂肪肝
,
大腸腫瘍
,
リスク評価
,
ネオアジュバント療法
,
Irinotecan
,
類洞
,
大腸切除
Keyword:
Fluorouracil
,
Fatty Liver
,
Patient Care
,
Liver Neoplasms
,
Colorectal Neoplasms
,
Vascular Diseases
,
Risk Assessment
,
Neoadjuvant Therapy
,
Chemical and Drug Induced Liver Injury
,
Irinotecan
pp.1146-1151
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013380245
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大腸癌は,遠隔転移を有するStageIVでも集学的治療による根治の可能性が残されている消化器癌である.近年の化学療法の進歩により,外科的切除のみでは制御が困難であった大腸癌肝転移の大幅な予後の改善が報告されており,エビデンスにはいまだ乏しいが,化学療法を併用した外科的切除が大腸癌肝転移に対する治療として一般化しつつある.しかし一方,周術期の化学療法に伴う肝障害や手術合併症の増加など,負の側面も報告されるようになってきている.安全かつ根治性を損なわない肝切除を行うためには,肝臓に対する各種化学療法の影響を十分理解し,きめ細かいリスク評価と適切な手術計画を行うことが重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2013