十二指腸乳頭部癌のすべて
発生母地からみた十二指腸乳頭部腫瘍の治療戦略
川畑 康成
1
,
田島 義証
1島根大学 消化器・総合外科
キーワード:
リンパ行性転移
,
膵頭十二指腸切除
,
総胆管腫瘍
,
胆膵管膨大部
,
免疫組織化学
,
Mucin-1
,
治療成績
,
Keratin-20
Keyword:
Common Bile Duct Neoplasms
,
Immunohistochemistry
,
Lymphatic Metastasis
,
Ampulla of Vater
,
Pancreaticoduodenectomy
,
Mucin-1
,
Treatment Outcome
,
Keratin-20
pp.571-574
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016244795
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十二指腸乳頭部は,Oddi筋に囲まれた部分と定義され,乳頭部胆管,乳頭部膵管,共通管部および大十二指腸乳頭で構成されている.この4部位は二つの異なる粘膜(intestinal mucosa, pancreatobiliary-type ductal mucosa)でおおわれていることから,乳頭部腫瘍には二つの腫瘍発生母地が存在する.発生母地を同定・分類する方法として組織形態学的分類法と免疫組織学的分類法があるが,いずれの分類においてもintestinal typeの乳頭部癌(ampullary carcinoma:AC)はリンパ節転移が少なく,もっとも予後が良好である.治療方針として,intestinal typeの上皮内癌(T1a)は乳頭切除術などの縮小手術が考慮されるが,それ以外のACは膵頭十二指腸切除術が標準治療となる.
©Nankodo Co., Ltd., 2016