発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009299279
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61歳男。検診目的に胃内視鏡検査を受け胃癌を指摘され、当院紹介入院となった。胃X線で体下部大彎に28×24mmの隆起性病変を認め、前庭部から体部には径3~5mmの小さな隆起が多発していた。内視鏡では胃体部大彎に隆起性病変を認め、早期胃癌(O'-IIa)と診断した。体部から前庭部には小さな粘膜下腫瘍が多発しており、これらは超音波内視鏡で第3層内に多発する低エコー腫瘤として認められ、びまん性胃粘膜下異所腺と考えられた。以上から、びまん性胃粘膜下異所腺に早期胃癌を合併したものと考え、癌部の内視鏡的粘膜下層剥離術を施行した。病理組織所見は28×28mmのO-IIa型の胃癌で、高分化型腺癌であった。深達度はMで、ly0、v0、水平、垂直段端は陰性であった。粘膜下層には1層の上皮で覆われた嚢胞が多発しており、嚢胞上皮に異型は認めなかった。現在経過観察中であるが、再発や異時多発などは認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009