症例
膵管内乳頭粘液性腺癌から腹膜偽粘液腫、卵巣転移をきたした1例
椋田 奈保子
1
,
藤井 進也
,
村上 敦史
,
井上 千恵
,
福永 健
,
小松 宏彰
,
野坂 加苗
,
小川 敏英
1鳥取大学 医学部病態解析医学講座画像診断治療学分野
キーワード:
子宮摘出術
,
腫瘍-多発性原発
,
粘液腺癌
,
網
,
卵巣腫瘍
,
卵巣摘出術
,
腹膜偽粘液腫
,
膵管内乳頭腫瘍
,
腹部CT
Keyword:
Adenocarcinoma, Mucinous
,
Hysterectomy
,
Neoplasms, Multiple Primary
,
Ovarian Neoplasms
,
Ovariectomy
,
Omentum
,
Pseudomyxoma Peritonei
pp.715-718
発行日 2017年5月10日
Published Date 2017/5/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017260618
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
70歳代女。3ヵ月前からの腹部膨満感・体重増加を主訴とした。右卵巣腫瘤にて右付属器摘出術を行い、卵巣原発の粘液性境界悪性腫瘍、腹膜疑粘液腫と診断された。追加治療目的で紹介受診し、前医での術前CT、術中所見で左卵巣に腫瘤は認めなかったが、当院CTでは膵周囲の嚢胞性病変がやや増大しており、網嚢への破裂を疑う所見のほか、左卵巣に多房性嚢胞性病変を認め、膵管内乳頭粘液性腺癌(IPMC)由来の腹膜疑粘液腫が鑑別に挙がった。子宮全摘・左付属器切除・大網切除術を行い、左卵巣腫瘤の病理像と免疫染色、腹水細胞診、膵液細胞診より最終的にIPMC合併腹膜偽粘液腫、両側卵巣転移と診断された。卵巣粘液性腫瘍の病理学的診断は困難なことがあり、本症例も右卵巣腫瘤は当初粘液性境界悪性腫瘍と診断されたが、後方視的にみるとIPMCの卵巣転移として矛盾しないと診断された。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.