発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012198995
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90歳以上で大腸癌手術を施行した13例(男6例、女7例、年齢92±2歳)を対象に、臨床病理学的検討を行った。全例になんらかの症状を有しており、腸閉塞症状を訴えたものが10例あり、3例でイレウス管が留置された。診断方法は、大腸内視鏡検査9例、注腸X線検査2例、腹部CT検査と超音波検査2例であった。発生部位は上行結腸6例で最も多かった。術前合併症は、高血圧、貧血を8例で認めた。進行度はStageII、IVが各5例、StageIIIa2例、StageI1例で全例進行癌であった。手術法は全例開腹手術で、右結腸切除が多かった。人工肛門造設を5例に行い、腸切除を行った症例は11例であった。腸切除を行った11例の郭清度は、D0 3例、D1 3例、D2 5例であった。術後合併症は8例認め、せん妄が最も多かった。予後は生存5例、現病死4例、他病死1例、在院死2例、不明1例で、在院死2例を除く11例に、ADLが低下したものは認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011