発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008167418
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22歳男。腹痛および嘔吐が出現し、症状が増悪したため急性腹症で入院となった。臍左側に圧痛を認めるが筋防御はなく、血液検査でWBCは高値を示した。鎮痛薬・鎮痙薬投与も一時的効果であった。入院翌日の腹部CTで小腸拡張と内溶液が貯留うっ帯、ニボー形成、腹水の出現を認め、イレウスと診断した。イレウス管を留置しての保存的治療を行うも症状改善がなく、腹部X線像で大腸ガスは存在するが小腸拡張と造影剤停滞を認めたため、開腹手術を施行した。回盲部から約50cm口側回腸にみられたMeckel憩室の先端部に索状物があり、近接腸間膜に接着してループを形成し、そこへ口側腸管が陥入して絞扼されていた。腸管整復後に索状物を腸間膜から切離すると腸管が回復したためMeckel憩室のみ切除した。病理組織所見にて、Meckel憩室は真性憩室で異所性粘膜は認めず、索状物中に明瞭な動脈・静脈管を認めmesodiverticular bandと判断した。術後は経過良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008