発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006151915
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17歳,男.腹痛を主訴とした.入院時,腹部膨満,圧痛,筋性防御を認めた.血液検査にて白血球数高値,CRPの軽度上昇を認めた.腹部造影CTにて腸液で充満,拡張した小腸,腸管壁の肥厚,腹水を認め,回盲部にはトリのくちばし状に狭窄した腸管を認めた.絞扼性イレウスと診断し緊急手術を施行した.手術所見では多量の血性腹水を認め,回盲弁から50cm口側の回腸腸間膜対側に5cm長のMeckel憩室が存在していた.また,憩室の先端から腸間膜へ伸びる索状物と腸間膜の間に口側小腸が嵌入し,絞扼,壊死していた.Meckel憩室を含めて壊死腸管を切除した.病理組織学的に全層を有する真性憩室であり,膵組織が迷入していた.索状物内に血管組織を認め憩室間膜血管索と診断した.術後経過は良好で,第12病日退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2006