消化器診療-30年と今後の展望
肝臓領域の変遷と展望 内科
小池 和彦
1
1東京大学 大学院医学系研究科消化器内科学
キーワード:
肝炎-B型
,
肝炎-C型
,
B型肝炎ウイルス
,
ヘパシウイルス
,
肝硬変
,
肝硬変-胆汁性
,
肝細胞癌
,
肝臓疾患
,
肝炎-自己免疫性
,
近代医学史
,
肝疾患-非アルコール性脂肪性
Keyword:
Hepatitis B
,
Hepatitis B virus
,
Hepatitis C
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Liver Cirrhosis
,
Liver Cirrhosis, Biliary
,
Liver Diseases
,
Hepacivirus
,
Hepatitis, Autoimmune
,
History, Modern 1601-
,
Non-alcoholic Fatty Liver Disease
pp.59-64
発行日 2014年12月20日
Published Date 2014/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015108247
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この30年間の肝臓領域の診療の進歩は,内科の他領域に比べても速い.肝炎診療はHCV発見以前と以降で大きく変化した.DAAs(direct-acting antivirals)の登場もあり,まもなくHCV感染の95%が排除される時代になる.しかし,HCV排除は「HCV感染」の治癒にすぎず,肝細胞癌のリスクは軽減されるがゼロにはならない.B型肝炎は,逆転写酵素阻害薬が登場してからはなんとか肝炎の制御が可能になっており,肝細胞癌の予後は著しく改善した.しかし,30年前には大きな問題とは捉えられていなかったNASH(非アルコール性脂肪肝炎)が,次第にわが国においても重要性を増し,非B非C型肝細胞癌も増えてきている.難病を克服しても新たな敵が現れ,病との戦いは続くのである.
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