移植医療の新展開
各論 臓器 肝移植の現状と今後の展望
嶋村 剛
1
,
鈴木 友己
,
山下 健一郎
1北海道大学病院 臓器移植医療部
キーワード:
医事法制
,
肝臓移植
,
生存率
,
脳死
,
治療成績
,
リビングドナー
Keyword:
Brain Death
,
Legislation, Medical
,
Survival Rate
,
Liver Transplantation
,
Treatment Outcome
,
Living Donors
pp.1179-1184
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012040601
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わが国の脳死肝移植は欧米に比べ大幅に遅れをとり、1997年の臓器移植法施行~2009年の約12年間に65(年平均約5.4)例のみ実施された。しかしながら、本人の意思が不明の場合でも家族の同意で脳死下の臓器提供を可能とした2010年7月の法改正により、その後1年間で55名からの提供があり、肝移植は分割肝を含め53例に行われるにいたった。移植成績は海外と比べ遜色はないが、約10倍となった臓器提供数の増加により、レシピエント選択基準の見直しや移植実施施設の体制構築などが課題となっている。
©Nankodo Co., Ltd., 2011