移植医療の新展開
各論 臓器 膵・膵島移植の現状と今後の展望
杉谷 篤
1
,
吉田 淳一
1藤田保健衛生大学 臓器移植再生医学
キーワード:
Langerhans島移植
,
医事法制
,
腎臓移植
,
膵臓移植
,
生存率
,
脳死
,
臓器と組織の調達
,
移植コーディネーター
Keyword:
Brain Death
,
Legislation, Medical
,
Tissue and Organ Procurement
,
Survival Rate
,
Kidney Transplantation
,
Pancreas Transplantation
,
Islets of Langerhans Transplantation
pp.1185-1191
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012040602
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臓器移植法改正後、2011年7月31日までで57件の提供があり、255例のレシピエントが移植を受けた。そのうち膵腎同時は40例、膵臓単独は4例に上る。日本膵・膵島移植研究会事務局から公表された2010年12月末までのレシピエント86例の生存率は95.3%、膵グラフト、腎グラフトの5年生着率はそれぞれ71.6%、84.0%であった。米国に比較してmarginal donor、marginal recipientが多いが遜色のない成績が得られている。膵島移植は新しい免疫抑制薬の開発とともに高度医療として認可され普及が期待される。今後は、心停止ドナーからの臓器提供の増加、摘出チームのスリム化と手技の修練、小児ドナーからの摘出、移植手技の浸透が課題であろう。
©Nankodo Co., Ltd., 2011