肝移植-現状と展望
脳死肝移植 今後の課題と展望
市田 隆文
1
,
玄田 拓哉
,
平野 克治
1順天堂大学医学部附属静岡病院 消化器内科
キーワード:
医事法制
,
肝炎-劇症
,
肝硬変
,
肝臓移植
,
脳死
,
リビングドナー
Keyword:
Brain Death
,
Liver Cirrhosis
,
Legislation, Medical
,
Liver Transplantation
,
Living Donors
pp.1233-1239
発行日 2013年7月20日
Published Date 2013/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013319986
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臓器法案改正後,脳死肝移植は3?4倍の年間おおよそ50例弱と増加したが,日本脳死肝移植適応評価委員会に評価申請を希望される症例は月平均30例と,まだまだ期待に応えられるだけの脳死ドナーの増加とはいえない.肝移植に関しては,他の臓器移植と異なり単純な待機期間だけでなく医学的緊急度が重要な役割を果たしている.そのため,今では従来の慢性肝不全症例から劇症肝炎や肝移植後グラフト機能不全症例にその実施例がシフトされ,大きく適応疾患の内容が異なってきた.はたして,このことが健全なる脳死肝移植医療なのか,考え直さなければならない時期にきていると思う.われわれが成さなければならないことは,さらなるドナーアクションが直近の課題であることを肝に銘じて,移植医療を盛り上げることであると考える.
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