肝移植-現状と展望
小児肝移植の治療成績と問題点
猪股 裕紀洋
1
,
林田 信太郎
1熊本大学医学部附属病院 小児外科・移植外科
キーワード:
肝臓移植
,
胆道閉鎖症
,
脳死
,
治療成績
,
リビングドナー
Keyword:
Brain Death
,
Biliary Atresia
,
Liver Transplantation
,
Treatment Outcome
,
Living Donors
pp.1295-1300
発行日 2013年7月20日
Published Date 2013/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013319994
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国内での小児生体肝移植は成人よりやや長い歴史を有している.小児生体肝移植症例数は年間約140例で,成人より移植生存率は良く,現在累積10年生存率は83.2%である.臓器移植法の改正で小児臓器提供が可能となったが小児脳死臓器移植は依然きわめて少なく,分割肝移植の積極的導入が望まれる.胆道閉鎖症のほか,代謝性疾患,劇症肝不全,肝芽腫などへの適応が広がっている.また,新生児でも生体肝移植が行われるようになった.劇症肝不全の移植成績が従来不良であったが,免疫抑制強化などで改善傾向がみられる.今後,長期経過症例の増加とともに,腎障害,耐糖能や脂質異常,二次がん発症などに対するケアが課題となる.
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