発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011292660
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全身麻酔消化器外科手術90例のうち、周術期に徐脈性不整脈に対し一時ペーシングを行った7例(男6例・女1例・平均81.3歳)について検討した。疾患は肝細胞癌4例、胃癌2例、小腸癌1例で、ペーシングの適応は洞機能不全症候群6例、高度房室ブロック1例、術前脈拍数は40~67回/分、左室駆出率は71~86%と心機能は正常であった。7例中6例は70歳以上であり、術前Holter心電図では房室ブロックの1例を除く5例が最低脈拍数28~39回/分、最長RR間隔時間2.28~3.02秒であった。術前に挿入留置したペーシングは全例術後2日以内に抜去し、手術時間平均166分、麻酔時間239分、術中出血量188mlで、術中術後および抜去後に問題となる徐脈は認めなかった。術後1年以上の経過観察で不整脈症状を呈する症例はなく、永久ペースメーカの埋め込みもなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011