鏡視下手術 術中トラブル対処
幽門側胃切除術
竹内 裕也
1
,
才川 義朗
,
和田 則仁
,
大山 隆史
,
高橋 常浩
,
中村 理恵子
,
北川 雄光
1慶応義塾大学 外科
キーワード:
胃腫瘍
,
胃切除
,
電気凝固
,
腹腔鏡法
,
Roux-en-Y吻合術
,
幽門
,
リンパ節郭清
,
超音波外科
,
メス
Keyword:
Anastomosis, Roux-en-Y
,
Electrocoagulation
,
Gastrectomy
,
Lymph Node Excision
,
Laparoscopy
,
Pylorus
,
Stomach Neoplasms
,
Ultrasonic Surgical Procedures
pp.25-30
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011078906
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腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(LADG)は、安全かつ確実なリンパ節郭清と吻合手技が要求される難易度の高い腹腔鏡下手術である。特に術中偶発症として血管損傷、臓器損傷、再建時のトラブルには注意を払う必要がある。その成否は術者の技量のみならず、助手や腹腔鏡医とのチームワークにかかっていることはいうまでもない。術中偶発症を起こさないためにはまず術前から周到な準備を行っておく必要があり、解剖の把握、術野展開の工夫、エネルギーデバイスや鉗子の選択も術中偶発症予防における重要な要素である。また術中偶発症が生じたときもあわてずに内視鏡下手術の特長を生かした対処を行うべきである。癌の根治性を担保しつつ合併症を起こさない手術を行うためには術式の定型化を図ることが大切であり、かつ陥りやすい術中偶発症とその原因、発生時の対処法を習熟しておくことが肝要である。自分の技量を過信せず患者の安全を第一とすれば、特にLADG導入当初は開腹移行を躊躇してはならない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011