肝胆膵領域における最新の画像診断
Multidetector-row CT(MDCT)による最新の膵癌画像診断 MDCTと病理組織標本の対比からみた膵頭部癌神経叢浸潤の進展範囲診断
北川 裕久
1
,
中川原 寿俊
,
田島 秀浩
,
大西 一朗
,
林 泰寛
,
牧野 勇
,
高村 博之
,
谷 卓
,
二宮 致
,
藤田 秀人
,
伏田 幸夫
,
藤村 隆
,
萱原 正都
,
太田 哲生
,
望月 健太郎
,
蒲田 敏文
,
松井 修
,
全 陽
1金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科
キーワード:
腫瘍侵入性
,
膵臓腫瘍
,
上腸間膜動脈
,
組織細胞学的標本技術
,
マルチスライスCT
Keyword:
Neoplasm Invasiveness
,
Pancreatic Neoplasms
,
Histocytological Preparation Techniques
,
Mesenteric Artery, Superior
,
Multidetector Computed Tomography
pp.171-178
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011113930
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最近、膵頭部癌の外科病理学では、膵頭神経叢~上腸間膜動脈(SMA)神経叢のsurgical marginが再度注目されている。この部位のmultidetector-row CT(MDCT)所見と病理とを比較・検討すると、coarse reticular pattern(粗大網状)、mass and strand pattern(腫瘤・索状)の陰影が神経叢浸潤を表しており、癌に伴うdesmoplasia、すなわち"癌巣"の範囲を正確にとらえていた。MDCTによって神経叢浸潤範囲を正確に診断することができるが、本当の意味でのR0手術を立案するために非常に有用である。画像所見と病理を対応させながら解説する。
©Nankodo Co., Ltd., 2011