膵癌update 2012
治療 最新の膵癌化学療法
石田 晶玄
1
,
元井 冬彦
,
坂田 直昭
,
内藤 剛
,
力山 敏樹
,
片寄 友
,
江川 新一
,
海野 倫明
1東北大学
キーワード:
抗腫瘍剤
,
腫瘍多剤併用療法
,
腫瘍侵入性
,
膵切除
,
膵臓腫瘍
,
腹腔動脈
,
腹大動脈
,
門脈
,
アジュバント化学療法
,
アルゴリズム
,
上腸間膜動脈
,
ネオアジュバント療法
,
Gemcitabine
,
TS-1
,
上腸間膜静脈
Keyword:
Algorithms
,
Antineoplastic Agents
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Aorta, Abdominal
,
Celiac Artery
,
Pancreatectomy
,
Neoplasm Invasiveness
,
Pancreatic Neoplasms
,
Portal Vein
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Mesenteric Artery, Superior
,
Neoadjuvant Therapy
,
Gemcitabine
pp.523-529
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012223266
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膵癌化学療法の第一選択薬であるgemcitabine hydrochloride(GEM)を上回る治療法として、oxaliplatin(L-OHP)、irinotecan hydrochloride hydrate(CPT-11)、fluorouracil(5-FU)/calcium folinate(LV)の併用療法(FOLFIRINOX)が報告された。国内でも安全性・有効性が検討されており、切除不能膵癌の第一選択薬となる可能性がある。一方、GEMとS-1単独、併用療法(GS療法)を比較したGEST試験では、S-1の非劣性が示され、GS療法の無増悪生存期間はGEM単独療法に対して有意に延長したが、全生存期間での優越性は証明されなかった。S-1はGEMと同等の標準治療として位置づけられ、GS療法は補助化学療法などでその有用性がさらに検討されることになると考えられる。また膵癌の治療として術前化学療法が行われるようになってきているが、エビデンスが少なく、現在進行中の臨床試験を含めたエビデンスの創出が望まれている。
©Nankodo Co., Ltd., 2012