括約筋間直腸切除術(ISR)のすべて
治療成績と術後排便機能の両立をめざしたISR
西澤 祐吏
1
,
伊藤 雅昭
,
合志 健一
,
塚田 祐一郎
,
横田 満
,
小林 昭広
,
齋藤 典男
1国立がん研究センター東病院 大腸外科
キーワード:
バイオフィードバック
,
腫瘍多剤併用療法
,
術後合併症
,
生活の質
,
直腸腫瘍
,
電気刺激療法
,
腰仙骨神経叢
,
患者中心医療
,
治療成績
,
ネオアジュバント療法
,
放射線化学療法
,
肛門括約筋温存術
,
FOLFOX Protocol
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Biofeedback, Psychology
,
Electric Stimulation Therapy
,
Lumbosacral Plexus
,
Postoperative Complications
,
Quality of Life
,
Rectal Neoplasms
,
Treatment Outcome
,
Patient-Centered Care
,
Neoadjuvant Therapy
,
Chemoradiotherapy
,
Folfox Protocol
pp.289-296
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015130705
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直腸癌に対する肛門温存手術として,括約筋間直腸切除術(intersphincteric resection:ISR)は広く認知されるようになったが,術後肛門機能障害が存在することから,治療予後と術後肛門機能の双方を念頭においた手術適応の考慮が必要である.術後排便機能を増悪させる最大の要因は,術前化学放射線療法(CRT)である.CRTは局所再発の低下に寄与し,完全奏効(CR)などの腫瘍縮小効果の大きな症例に関しては良好な予後が期待できることから,重要な治療選択肢であるが,肛門温存をすることから術後排便機能にも配慮が必要なISRとの相性がわるい.ISRの術後排便機能は許容される結果であるが,今後さらにこの手術を発展させるためには,術前抗癌薬単独治療など,ISRに最適な術前治療と術後排便機能を改善させる治療の開発・確立が必要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2015