臨床経験
胃消化管間質腫瘍(GIST)に対する単孔式胃内手術の検討
中島 隆善
1
,
山下 好人
,
山本 篤
,
森本 純也
,
石川 彰
,
西口 幸雄
1大阪市立総合医療センター 消化器外科
キーワード:
胃切除
,
入院期間
,
腹腔鏡法
,
失血-外科
,
治療成績
,
Gastrointestinal Stromal Tumor
,
手術時間
,
単孔式内視鏡手術
Keyword:
Gastrectomy
,
Length of Stay
,
Laparoscopy
,
Blood Loss, Surgical
,
Treatment Outcome
,
Gastrointestinal Stromal Tumors
,
Operative Time
pp.396-399
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016316467
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切除可能な胃消化管間質腫瘍(GIST)に対して単孔式胃内手術を施行した4症例(男性2例、女性2例、年齢55~76歳、平均年齢64歳)の手術成績について報告した。その結果、1)全例で腹部手術の既往、ポートの追加挿入や従来の腹腔鏡下手術、開腹手術への移行例はなく、単孔式胃内手術を完遂できた。2)平均手術時間137分(115~159分)、出血量は30mlで、術後平均在院日数は8.5日(6~11日)であった。3)術中術後の合併症は臍部創の感染をはじめ認められなかった。4)摘出標本内の平均腫瘍径は2.9cm(2.5~3.5cm)で、いずれもMIB-1 indexは10%未満で腫瘍壊死所見はなく、低リスクに分類された。また、組織学的に偽被膜損傷の所見は認めず、腫瘍マージンも確保されていた。5)術後3ヵ月以降に施行された上部消化管内視鏡検査では、いずれの症例でも胃壁の変形はほとんどなく、再発や狭窄所見も認められなかった。尚、全例、平均術後観察期間15ヵ月(12~24ヵ月)で無再発生存中である。以上より、本術式は合併症はなく、術後在院日数も短期間であり、整容性、低浸潤性にも優れており、有用な術式と考えられた。
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