発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011034206
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著者らは2003~2008年の6年間に閉鎖孔ヘルニアの治療においてクーゲルパッチを使用した10症例(全例女性、平均81.1±7.1歳、左6例・右4例)の治療成績について検討した。その結果、最初の1例を除き全例で鼠径部切開のみで手術が行われ、腸管壊死により腸切除を要した症例は2例で、切除腸管はいずれも小腸であった。平均手術時間は44.1±20.0分(腸切除例53.5±2.1分)、平均在院日数は12.6±13.4日(腸切除例16.5±9.2日)で、術後合併症は腸炎1例、既存の食道癌による吐血を1例が認められたが、縫合不全や創感染や死亡、再発はみられていない。以上より、閉鎖孔ヘルニアに対するクーゲルパッチを用いた手術法は鼠径法でのアプローチが可能であり、低侵襲で再発の点からも有用と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010