発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010284107
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46歳女性。患者は43歳時、子宮筋腫治療で実施された腹部CT検査にて右副腎腫瘍が指摘され、同時期より頭痛と発作型の高血圧が生じるようになった。今回、46歳時の腹部CTで副腎腫瘍の増大が確認され、著者らの施設へ紹介となった。入院時、血圧は安定しており、BMIは42.6と高度の肥満を呈していたが、内分泌検査では異常は認めず、I-131 MIBGでも副腎に異常集積はみられなかった。しかし、腹部CTでは右副腎に9.5cm大の低吸収域の腫瘍が認められ、不均一に造影された。また、腹部MRIでは腫瘍はT1、T2ともに脂肪と同程度の高信号域を呈し、脂肪抑制法では信号が抑制された。以上より、本症例は脂肪腫などが疑われたが、悪性の可能性も否定できず、腫瘍摘出術を行ったところ、病理組織学的に副腎骨髄脂肪腫と診断された。尚、術後経過は良好で、手術から3年経過するも再発徴候はなかった。また、腫瘍摘出後も肥満や発作型高血圧の臨床所見の変化はほとんどみられなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010