発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010296339
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副腎偶発腫で発見され、頭痛、動悸、発汗亢進等の典型的な症状を欠いた褐色細胞腫の3症例(症例1:69歳女性、症例2:62歳男性、症例3:40歳男性)について報告した。主訴は全例が副腎偶発腫の精査で、高血圧、糖尿病、脂質異常症が認められた。所見では症例1において尿中カテコラミンはノルアドレナリン優位の上昇がみられたものの、131I-MIBGシンチグラフィでは集積が認められなかった。だが一方、18F-FDG-PETでは集積が確認された。また、症例2では尿中カテコラミンはアドレナリン優位の上昇が認められたが、症例3ではMRIのT1強調画像で低信号、T2強調画像で等信号と特徴的な所見は示されず、血中ノルアドレナリン、ノルメタネフリン、バニリルマンデル酸の軽度上昇を認めるのみであった。いずれの症例も副腎切除術が行われ、高血圧および耐糖能の著明な改善が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010