投稿論文 短報
全身麻酔導入時にロクロニウムによる高血圧クリーゼが疑われた褐色細胞腫患者の麻酔経験
西田 隆也
1
,
濱崎 豊
,
松尾 佳代子
,
中島 正順
1高槻病院 麻酔科
キーワード:
Nicardipine
,
Phentolamine
,
褐色細胞腫
,
血圧
,
高血圧
,
術中合併症
,
心拍数
,
全身麻酔
,
腹腔鏡法
,
副腎腫瘍
,
副腎摘出術
,
Landiolol
,
Rocuronium
Keyword:
Anesthesia, General
,
Adrenal Gland Neoplasms
,
Adrenalectomy
,
Nicardipine
,
Heart Rate
,
Hypertension
,
Intraoperative Complications
,
Phentolamine
,
Rocuronium
,
Pheochromocytoma
,
Laparoscopy
,
Blood Pressure
,
Landiolol
pp.855-860
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020373426
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症例は68歳男性で、5年前より健康診断で心房細動が指摘され、経皮的心筋焼灼術目的で当院不整脈内科に紹介となった。しかし、治療前検査で左副腎褐色細胞腫が見つかり腹腔鏡下副腎摘出術が予定された。マスク換気が容易であることを確認してロクロニウム40mgを投与したが、この時点では非観血的血圧(NIBP)138/89、心拍数(HR)52beats/minと安定していた。しかし、ロクロニウム投与後15秒程度でHRの異常な上昇を認め、投与1分後にはHR 78beats/minを測定し、さらに上昇を続けた。高血圧クリーゼの可能性を考え、NIBP測定の確認を待たずにフェントラミン2mg、ランジオロール5mgを投与した。その後、血圧は徐々に変動前まで低下し気管挿管を行った。麻酔導入後は代替できる筋弛緩薬が院内になかったため、ロクロニウム持続投与で管理を行ったが、特に大きな問題は認めなかった。抜管後、脳血管障害を疑わせる所見なくICUに帰室した。
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