発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010160804
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51歳男。胸やけ、食欲不振を主訴とした。血液生化学検査、上部消化管造影、上部消化管内視鏡所見より、胃体中部大彎側に3型病変を認め、生検にて低分化型腺癌と診断した。また、腹部造影CT、血管造影にて腎動脈分岐後閉塞を認め、Leriche症候群と冠動脈狭窄を合併した胃癌と診断した。側副血行路は良好で、経皮的冠動脈形成術(方向性粥腫切除術)後に胃全摘術を行った。病変の深達度はSEで横行結腸への浸潤は認めず、腹部大動脈に動脈硬化を認めた。術後経過は良好で、術後40日に退院した。なお、Leriche症候群と胃癌の合併例の報告は極めて稀で、1983~2008年までの医学中央雑誌での検索では1例のみであった。
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