発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004197375
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73歳男.腹部全体の疼痛を主訴とした.既往としてLeriche症候群があった.入院時検査所見,腹部単純X線所見,腹部CT所見,理学的所見,入院後より徐々に増悪した全身状態から,腸管壊死を伴った上腸間膜動脈(SMA)塞栓症と診断し,発症17時間後に緊急手術を施行した.Treit靱帯から5cmの空腸より直腸S状部までの腸管は壊死しており,救命目的に腸管大腸切除を施行しチューブによる胃瘻を造設し手術を終了した.術後全身状態は安定し,いったん小康状態を保っていたが,術後第6病日に急激に血圧低下,急性腎不全,黄疸,アシドーシスが出現し,持続血液濾過透析等の集学的治療を行ったが術後第7病日に死亡した.病理解剖所見では,残存直腸は切離断端より歯状線まで完全に壊死し,切離断端の縫合不全による汎発性腹膜炎と診断された
©Nankodo Co., Ltd., 2004