発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009138554
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症例1:28歳男。臍の腫脹と膿の排出を主訴とした。瘻孔造影で臍より尾側に8.5cmの膿瘍腔を認め、MRIでは臍から膀胱頂部まで連続する瘻孔を認め、T2強調画像で高信号を呈した。成人尿膜管臍瘻と診断し、瘻孔ドレナージと抗生物質投与を行い、2ヵ月後に臍を含めて尿膜管を完全摘除し、臍形成術を追加した。病理所見は、瘻孔部は上皮が剥脱し、慢性炎症像を呈していた。症例2:18歳男。臍部の腫脹を主訴とした。瘻孔造影で臍より膀胱側に5cmの瘻孔を認め、CTでは臍直下に嚢胞を認め、瘻孔は腹膜前、腹直筋後鞘背側を走行していた。成人尿膜管臍瘻と診断し、瘻孔ドレナージ後に尿膜管を完全摘除した。症例3:20歳男。臍の膿排出を主訴とした。MRIで瘻孔は臍より腹直筋を貫通し、腹膜前を走行していた。成人尿膜管臍瘻と診断し、瘻孔ドレナージ後に尿膜管を完全摘除した。組織学的には線維性結合織を背景に、一部扁平上皮化生を伴った移行上皮で内腔が被覆され、尿膜管遺残と矛盾しなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009