発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012169651
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症例1は26歳男性、症例2は28歳男性であった。両例とも臍部痛を主訴とし、CTで臍直下に膿瘍腔を認め、症例2では膀胱まで至る索状構造物を認めた。尿膜管遺残症に伴う膿瘍と診断し、局所麻酔下に切開排膿と腹腔鏡下切除術を施行した。症例1は膀胱内に生理食塩水を注入し、正中臍靱帯と膀胱頂部の境界を確認した。その後、左右内側臍靱帯の間で腹膜を切開し、正中臍靱帯を膀胱との境界で超音波凝固切開装置で切離した。正中臍靱帯の剥離を臍へ向かって進めて臍直下まで剥離した後、臍下に皮膚切開をおいて遺残尿膜管を摘出した。臍形成・腹膜の修復は施行しなかった。症例2も症例1とほぼ同様に手術を施行し、正中臍靱帯の膀胱側は吸収糸を用いて結紮・切離し、臍形成を行った。2例とも摘出標本所見で膿瘍腔に連続する炎症性に肥厚した索状物を認めた。術後経過は良好で、症例1は術後5日、症例2は術後9日に軽快退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011