発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009116207
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74歳女。嘔気、嘔吐、下腹部痛を自覚し、子宮癌手術後から認めた腹壁瘢痕ヘルニア周囲からの腸管脱出を認め受診した。腹部臍下に小児頭大の腹壁瘢痕ヘルニアが存在し、その右側で5cm大の破裂創を認め、小腸が脱出していた。腸管は絞扼のため鬱血し腸間膜は一部壊死に陥っていた。腹壁瘢痕ヘルニア破裂と診断し、緊急手術した。絞扼され壊死に陥っている部分、癒着剥離の際に損傷した部分を含め20cmにわたり切除し、吻合した。ダグラス窩にドレーンを留置し、ヘルニア嚢をデブリドマンして腹壁を一期的に閉創した。術中・術後と呼吸・循環状態が安定せず、術後第14病日まで人工呼吸管理となった。創部に治癒遷延を認め、人工呼吸器から離脱後はリハビリも順調に進み術後45病日に退院となり再発を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009