発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009067962
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症例1(21歳男性)。精神発達遅延でcarbamazepineの内服中であった。今回、嘔吐と発熱で近医を受診、X線上で腹腔内遊離ガスが認められ、著者らの施設へ紹介受診となった。所見では上腹部に圧痛、腹膜刺激症状がみられ、消化管穿孔の診断で緊急手術を行い、胃潰瘍穿孔で大網充填術が行なわれた。だが、術後第1病日目より筋強剛が始まり、第2病日目には39℃台の発熱、脈拍135/分、CPK 3520IU/lとなり、術後の悪性症候群と考え、dantrolene sodiumの静注を行なったところ、第6病日目に全身状態は改善した。症例2(28歳男性)。精神発達遅延でchlorpromazine hydrochlorideの内服中であった。下腹部痛で近医を受診、保存的治療を行なうも増悪傾向となり、著者らの施設へ紹介受診となった。所見では下腹部に圧痛、筋性防御がみられ、汎発性腹膜炎と考え、緊急手術を行い、あわせて穿孔性虫垂炎で虫垂切除術が行なわれた。その結果、術後第3病日目より筋強剛が始まり、第5病日目には40℃を越す発熱、脈拍145/分、CPK 955IU/lとなった。術後の悪性症候群と診断され、dantrolene sodiumの静注を行なった結果、第8病日目に改善となった。
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