発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009067961
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
51歳女性。患者は腹部腫瘤で婦人科にて骨盤内腫瘍の開腹生検を行ない、原発不明のgastrointestinal stromal tumorと診断され、imatinibの内服にて腫瘍は嚢胞状変化を伴いつつ縮小していたが、約1年後、腹痛が出現し、CTおよびMRI上で骨盤内嚢胞性腫瘤の増大と左横隔膜下に腫瘍を認め摘出した。しかし、その後、約8ヵ月経過で左乳房の腫瘤と疼痛を認め、著者らの施設へ紹介となった。所見では左乳房C領域に4cm大の圧痛を伴う弾性硬の腫瘤がみられ、マンモグラフィで左M領域に微細分枝状石灰化を集簇性に認め、カテゴリー5と判断した。一方、超音波ではC領域に一部境界不明瞭で微細石灰化と嚢胞を伴う32×30×21mmのlow echoic massと周囲乳管の拡張が確認され、生検で核異型の強い浸潤性乳癌と診断された。治療として胸筋温存左乳房切除術を行った結果、病理所見では腫瘍の50%以上が巨細胞(pleomorphic cell)で構成され、pleomorphic carcinomaであった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008