特集 胆膵内視鏡治療におけるトラブルシューティング
PTCS治療における偶発症予防とトラブルシューティング PTCS下治療における留意点と偶発症
新後閑 弘章
1
,
権 勉成
,
齋藤 倫寛
,
徳久 順也
,
田中 貴志
,
前谷 容
1東邦大学医療センター大橋病院 消化器内科
キーワード:
術後合併症
,
術中合併症
,
生検
,
総胆管結石症
,
胆管癌
,
胆管腫瘍
,
肝内結石症
,
狭帯域光観察
,
経皮経肝胆道鏡法
,
経皮経肝胆道ドレナージ
,
胆管造瘻術
Keyword:
Biopsy
,
Bile Duct Neoplasms
,
Intraoperative Complications
,
Cholangiocarcinoma
,
Postoperative Complications
,
Narrow Band Imaging
,
Choledocholithiasis
pp.461-466
発行日 2020年3月25日
Published Date 2020/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020165147
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胆道へのアプローチが必要な症例において、経乳頭的アプローチによる内視鏡的逆行性膵胆管造影法(ERCP)が第一選択である。バルーン小腸内視鏡や超音波内視鏡関連手技によりERCP困難例の多くが克服されたが、その状況下においても経皮経肝的アプローチが必要な場合がある。なかでも経皮経肝胆道鏡(PTCS)は、頻度は高くないが胆膵内視鏡医としては習熟しておくべき手技である。PTCSを行うためにはまず経皮経肝胆管ドレナージ(PTBD)が必要であるが、PTCS下治療を想定した適切なドレナージルートの選択が重要である。狭窄の質的診断、胆管癌表層進展の範囲診断、結石治療など、さまざまな診断・治療的役割を果たすことが期待できるが、PTCS特有の偶発症が起こる可能性があることに留意し、適切な準備をして臨むことが必要である。他の治療手技の進歩によりPTCSを行う頻度は著しく低下しているものの、PTCS関連手技の準備や偶発症対策を適切に教育していくことが求められる。
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