腫瘍栓のすべて
腫瘍栓の外科治療 切除のコツと予後からみた適応 下大静脈心房内腫瘍栓
佐々木 洋
1
,
山田 晃正
,
後藤 邦仁
,
高見 宏
1八尾市立病院
キーワード:
下大静脈
,
肝細胞癌
,
肝切除
,
心房
,
体外循環
,
流血中腫瘍細胞
Keyword:
Extracorporeal Circulation
,
Hepatectomy
,
Heart Atria
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Neoplastic Cells, Circulating
,
Vena Cava, Inferior
pp.178-182
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008135408
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下大静脈(IVC)あるいは右心房内に進展する腫瘍栓を有する肝癌に対する肝切除に際しては、腫瘍栓先端の位置と、IVCの切除再建に要する時間を考慮して術式を選択する必要がある。すなわち、腫瘍栓先端がIVC内にとどまり、IVC遮断時間が60分以内であれば、単純全肝血流遮断(THVE)でのIVC切除再建が可能であるが、60分を超える遮断時間を要したり、IVCのテストクランプにて血圧が維持できない場合は体外循環の適応となる。さらに腫瘍栓先端が右心房内にあれば、通常人工心肺の適応である。これらの術式による肝癌の長期予後は不明であり、さらなる症例の蓄積を要する。
©Nankodo Co., Ltd., 2008