発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002222268
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症例は子宮リングを挿入している45歳女性で,下腹部膨満感と下血を主訴とした.注腸バリウム検査では直腸S状結腸部が6cmにわたり全周性に狭窄し,その口側,および,肛門側の粘膜に不整像を認めた.CTでは直腸とS状結腸に壁の肥厚と,直腸周囲脂肪層の濃度の上昇を認めた.術前にみられた炎症反応の亢進や発熱は子宮リングの除去や抗生剤の投与とともに正常化し,手術した.切除標本は,8.5cmにわたり,硬い肥厚層が全周性に存在していた.粘膜は暗赤色調に変化し,軽度の粘膜肥厚所見を認めた.病理組織学的には,非特異的な炎症性細胞浸潤が漿膜面から粘膜下層の脂肪組織を中心にみられた.術後経過は良好で,術後9年6ヵ月現在,再発はない
©Nankodo Co., Ltd., 2002