発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008098644
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過去9年間に著者らが手術を施行した胃癌は869症例で、そのうち同時性多発胃癌例は39例(4.5%)であった。この39例を単発胃癌830例と臨床病理学的に比較検討した。その結果、1)単発胃癌でSE以深の症例が多発胃癌に比べて有意に多く認められる以外、両者に特徴的なものは認められなかった。2)多発胃癌の副病変の90%が早期癌で、肉眼型は陥凹型、壁深達度はM、組織型は分化型が多く認められた。3)術前に副病巣の診断がついたのは48.7%で、その約60%が陥凹+陥凹型の組み合わせであった。4)半数以上が見逃されていることから、積極的に色素散布等を行い、胃全体をくまなく精査することが重要だと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007