発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008300516
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胃癌家族歴を有する胃癌症例について、臨床病理学的特徴を中心に検討した。残胃癌を除く胃癌手術例1200例を対象とした。第1度近親(親、同胞、子)以内に胃癌の家族歴をもつ胃癌症例155例を家族歴胃癌症例とし、それ以外の1045例を非家族歴胃癌症例とした。親子の二世代に継続するものは104例に認めた。家族歴胃癌では、t1、t2症例が83.8%と非家族歴胃癌の76.3%に比べ深達度の浅い症例が多かった。いずれの年齢層でも非家族歴胃癌に低分化型が多かった。家族歴胃癌にstageの低い症例が多く、根治度A、Bの治癒切除例が89.7%を占めた。3年生存率、5年生存率は家族歴胃癌が78.5%、71.4%、非家族歴胃癌が67.9%、62.7%であった。家族歴胃癌では14例に多発癌を認め、非家族歴胃癌の4.9%に比較して有意に高率であった。5例に重複癌を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008