発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008003679
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73歳女。洞不全症候群・房室ブロックの治療のため永久型ペースメーカー装着した。装着後7日目に嘔吐、腹痛が出現し腹部CTにて大腸穿孔による汎発性腹膜炎と診断され緊急開腹術を施行した。病理学的には器質的病変を認めず特発性大腸穿孔と診断し、術後は人工呼吸器管理、循環管理、血液浄化療法を含めた集学的治療を施行した。数日後に循環動態の安定および感染兆候の改善を認めたが、呼吸状態は悪化し、第4病日の胸部X線像に両側横隔膜の不鮮明化を認め、気道末梢からの分泌物湧出が顕著で分泌物貯留による下葉背側側の含気不良、換気血流不均衡による著しい酸化障害の荷重側肺障害と診断した。第5病日から半側臥位45°までの体位変換を開始し、第6病日に気管切開を行ったが改善は見られなかったため、体位変換の制限を解除して側臥位までの体位変換を行い呼吸理学療法も開始した。第8病日にはさらに悪化したため2時間毎の半腹臥位への体位変換を導入した後、酸素化能・X線所見は徐々に改善し第18病日に人工呼吸器の離脱が可能となった。以後、体位変換と呼吸器療法を継続して約3ヵ月後退院した。
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