発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010021260
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49歳男。約1ヵ月前からの嚥下時のつかえ感と前胸部痛で近医を受診し、胸部下部食道の有茎性腫瘤を指摘され当科紹介受診した。上部消化管内視鏡で切歯から40cmに褐色調の有茎性腫瘤を、食道造影で胸部下部食道に境界明瞭な隆起性病変を、腹部造影CTで同部位に不整に淡く造影される腫瘤と胃小彎に腫大したリンパ節を認めた。術前HE染色では高頻度な核分裂の肉腫・肉腫様形態で粘膜基底層にjunctional activityを有し、免疫染色でメラニン色素を認めた。以上より、食道原発メラニン欠乏性悪性黒色腫と診断して右開胸開腹中下部食道切除、2領域郭清、胸腔内経路胃管再建D2を施行した。病理所見よりメラニン欠乏性悪性黒色腫、T1b、N2、M0、StageIIと確定診断した。胃粘膜への腫瘍の浸潤は認めなかった。術後にDAV化学療法を施行し、経過観察中の術後6ヵ月のPET-CTで多発骨転移を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009