知っておくべき胆嚢癌の診療方針
外科治療 進行胆嚢癌に対する肝膵同時切除術(HPD)の意義
三輪 史郎
1
,
中田 岳成
,
宮川 眞一
1信州大学 外科
キーワード:
腫瘍進行度
,
腫瘍侵入性
,
リンパ行性転移
,
胆嚢腫瘍
,
リンパ節郭清
,
生存分析
,
比例ハザードモデル
,
周術期管理
,
肝十二指腸間膜
,
肝膵頭十二指腸切除
Keyword:
Gallbladder Neoplasms
,
Lymph Node Excision
,
Lymphatic Metastasis
,
Neoplasm Invasiveness
,
Neoplasm Staging
,
Proportional Hazards Models
,
Survival Analysis
,
Perioperative Care
pp.1313-1317
発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007348336
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肝膵同時切除術(HPD)は、胆管ドレナージ、門脈塞栓術、2期的膵腸吻合術など周術期の工夫によって安全性が高まっている。進行胆嚢癌に対するHPDの適応は、肝臓への直接浸潤に対し浸潤範囲を切除し、なおかつ膵頭部への直接またはリンパ節を介した浸潤に対し膵頭十二指腸切除(PD)を付加する場合である。治癒切除ができることが大前提となる手術であるが、2群以上のリンパ節転移陽性例や肝十二指腸間膜浸潤が明らかな症例は、HPDを行っても長期予後は期待できない。予防的な肝切除やリンパ節郭清を目的としたPDの付加によるHPDの意義は、現時点では明らかでなく今後の検討が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007