発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003207571
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膵頭十二指腸切除が有効となる可能性がある進行胆嚢癌は,二村らの進展様式の分類で,局所進展が軽微なリンパ節転移型に分類される症例と,肝十二指腸間膜へ高度に浸潤したBinf2,3症例であると考えられる.前者はBinf0,1でありながら膵周囲リンパ節に明らかに転移があって,ここから膵臓の実質に直接浸潤が疑われるような例であり,胆嚢癌の中では稀な症例である.後者は切除断端陰性とするために,併せて拡大肝右葉切除を必要とする例である.しかしながら,胆嚢癌に対する拡大肝右葉切除兼膵頭十二指腸切除後5年生存例が,これまで文献的にも5例内外という少なさを考えると,後者の適応のうち長期生存が期待できる症例とは,極めて稀な症例だけと考えられる
©Nankodo Co., Ltd., 2003