発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007243121
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65歳女性。下腹部腫瘤を認め、腹腔内腫瘍の診断で腫瘍摘出術が行われたが、術後8ヵ月の腹部造影CTで再発を認めた。再発腫瘍は4.5×4×3.5cm大で上行結腸外側に位置し、45日後のCT所見では6.8×6×6cm大へと急激に増大していた。腫瘍体積は再発時は約39ml、45日後は約138mlで、腫瘍の体積倍加時間は約25日であった。初回手術時の病理組織所見にて、線維粘膜腫様の基質および網目状の毛細血管網の中にspindle cellが散在していた。わずかではあるがatypical lipoblastを認め、spindle cell liposarcomaと診断した。脂肪肉腫腹腔内再発の診断で再手術を施行し、上行結腸外側に手拳大の腫瘍を、また大網内に多数の小結節を認め、右半結腸切除および大網全摘出術を行った。病理組織所見にて主腫瘍および大網内腫瘍いずれも腫瘍の大部分は典型的なmyxoid liposarcomaの像で、一部において基質が少なく、spindle cellが平行に配列している傾向の強い部位を認めた。診断はともに脂肪肉腫の播種性再発であった。術後10ヵ月で再々発を認め切除を行い、現在経過観察を継続している。
©Nankodo Co., Ltd., 2007